物価とお金を5つの指標で見る
物価の動き、物価水準の積み上がり、貯蓄、所得の4つの側面を、World BankとIMFの5指標でまとめたスライドショーです。各コマは1つの指標について、国別の順位バーと日本の値・順位、そして推移の線をあわせて表示します。数値と順位はすべて出典のデータをそのまま使っています。
| 消費者物価上昇率 | 79 | 日本の消費者物価上昇率は2.7385%(2024年)、193か国中79位 |
| GDPデフレータ上昇率 | 70 | 日本のGDPデフレータ上昇率は2.8881%(2024年)で、世界値3.9118%を下回る |
| 消費者物価水準(指数) | 9 | 日本の消費者物価水準(2010=100)は114.4138、192か国中9位 |
| 総貯蓄率(対GDP比) | 35 | 日本の総貯蓄率は31.0681%(2024年)で、世界値26.1879%を上回る |
| 一人当たりGDP(名目) | 53 | 日本の一人当たりGDP(名目)は35,703.432ドル、227か国中53位 |
各コマは順位バーで国どうしの開きを、推移の線で日本の動きの向きを読み取ります。指標ごとに単位(%・指数・米ドル)も対象国数(193/213/192/178/227)も違うため、コマをまたいで順位や値を並べて比べることはできません。
要点
日本の消費者物価上昇率は2024年に2.7385%で、193か国中79位に位置します(順位は値が低い順で、1位は-12.297%のイラク)。一方で2010年を100とした消費者物価水準の指数は114.4138で、192か国中9位と、この14年間の物価の上がり方は小さい側に並びます。他方、一人当たりGDP(名目)は2026年見通しで35,703.432ドル、227か国中53位にとどまります。上昇率としては世界の中位より低め、累積の上がり方は小さい側、所得水準は上位から距離がある、という3つの数字が同時に並ぶのが現在の姿です。
出典: World Bank「Inflation, consumer prices (annual %)」「Consumer price index (2010 = 100)」、International Monetary Fund「GDP per capita, current prices」
中心指標の最新値
消費者物価上昇率について、日本の2024年の値は2.7385%、対象193か国・地域のなかで79位です。この指標には出典側の世界値が示されていないため、世界平均との比較はできません。分布の幅は極端で、低い側はイラク-12.297%や中国0.2181%、高い側はベネズエラ254.9485%やアルゼンチン219.8839%まで開きます。この中で日本は中央よりやや低い側に位置します。補助的に、世界値のあるGDPデフレータ上昇率を見ると、日本は2.8881%で世界値3.9118%を下回り、213か国中70位です。
出典: World Bank「Inflation, consumer prices (annual %)」「Inflation, GDP deflator (annual %)」
上位と下位の顔ぶれ
消費者物価上昇率の値が低い側は、イラク-12.297%、アフガニスタン-6.6012%、ケイマン諸島-0.6253%、スリランカ-0.4294%、中国0.2181%(9位)と続きます。産油国や小規模な経済、統計・通貨の事情が特殊な国・地域が混ざっているのが特徴です。値が高い側はベネズエラ254.9485%、アルゼンチン219.8839%、スーダン138.8085%、ジンバブエ104.7052%、トルコ58.5065%が並び、通貨価値が大きく下がった国が集まります。日本の2.7385%・79位は分布のなかでは低め寄りですが、上位グループのようなマイナス圏ではありません。
出典: World Bank「Inflation, consumer prices (annual %)」
この10年でどう変わったか
日本の消費者物価上昇率の推移を2013年からたどると、2016年-0.1273%、2020年-0.025%、2021年-0.2334%とマイナスを含む0%前後の年が続きました。その後2022年2.4977%、2023年3.2681%、2024年2.7385%と3年連続で2%を超え、2023年がこの期間の最高値です。消費者物価水準の指数では2013年100.0176から2024年114.4138へ約14.4%上がりましたが、そのうち2021年105.2118から2024年までの約8.7%分が直近3年に集中しています。総貯蓄率も2013年25.2525%から2024年31.0681%へ約5.8ポイント上がりました。一人当たりGDPの推移は2015年からのデータで、2025年・2026年はIMFの見通し値を含みます。
出典: World Bank「Inflation, consumer prices (annual %)」「Consumer price index (2010 = 100)」「Gross savings (% of GDP)」、International Monetary Fund「GDP per capita, current prices」
近い国とくらべる
消費者物価上昇率を主要国で並べると、フランス1.999%(54位)、ドイツ2.2565%(67位)、韓国2.3217%(68位)、日本2.7385%(79位)、アメリカ2.9495%(94位)、英国3.2716%(105位)、中国0.2181%(9位)となり、日本はほぼ中間です。最も高い英国との差は約0.5ポイント、中国とは約2.5ポイント差です。消費者物価水準の指数では日本114.4138に対し、フランス126.5067、韓国132.1956、中国132.5176、ドイツ134.8686、アメリカ143.8573、英国147.4108で、この7か国のうち120を下回るのは日本だけです。一人当たりGDPでは日本35,703.432ドルが韓国37,412.075ドル(50位)を下回り、ドイツ65,302.893ドル、アメリカ94,429.753ドルとは約1.8倍〜2.6倍の開きがあります。総貯蓄率は日本31.0681%が世界値26.1879%やアメリカ17.8109%・英国17.0025%を上回る一方、韓国35.0305%・中国42.8328%は下回ります。
出典: World Bank「Inflation, consumer prices (annual %)」「Consumer price index (2010 = 100)」「Gross savings (% of GDP)」、International Monetary Fund「GDP per capita, current prices」
この数字の読み方
消費者物価上昇率は家計が購入する品目のバスケット価格の前年比で、資産価格や企業間取引は含みません。GDPデフレータは国内で生産されたもの全体を対象とし輸入価格の扱いが異なるため、同じ2024年でも日本は2.7385%と2.8881%というずれが生じます。消費者物価水準の指数は2010年=100の累積変化を示すもので、国どうしの物価の高い・安いや購買力を比べる数値ではない点に注意が必要です。総貯蓄率は家計だけでなく企業・政府を含む国全体の対GDP比です。一人当たりGDPは名目・米ドル建てで為替レートの影響を受け、最新年の2026年はIMFの見通し値であり実績ではありません。順位の分母は指標ごとに異なり(193、213、192、178、227)、79位・9位・53位を同じ物差しで比べることはできません。いずれも年次で更新され、遡って改定されることがあります。
出典: World Bank「Inflation, consumer prices (annual %)」「Inflation, GDP deflator (annual %)」「Consumer price index (2010 = 100)」「Gross savings (% of GDP)」、International Monetary Fund「GDP per capita, current prices」
消費者物価上昇率を地図とグラフで見る
表の上端はイラク-12.297%やアフガニスタン-6.6012%、下端はベネズエラ254.9485%やアルゼンチン219.8839%です。日本2.7385%は79位で、中央よりやや低い側にあります。
バーの長さは低い側と高い側で250ポイント以上開きます。推移の線は2021年-0.2334%から2022年2.4977%、2023年3.2681%へ立ち上がり、2024年は2.7385%とやや下がります。
国を選んでくらべる
GDPデフレータ上昇率
上端はリヒテンシュタイン-9.9007%や中国-0.7072%、下端はジンバブエ1097.2467%やスーダン243.9073%です。日本2.8881%は70位で、韓国4.0664%より低く、アメリカ2.4827%より高い位置です。
バーは下端の3桁台が突出し、多くの国は一桁台に集まります。推移の線は2023年4.0682%が期間の山で、2024年は2.8881%へ下がっています。
消費者物価水準(指数)
上端はナウル100.1752やツバル100.5006、下端は南スーダン41280.7397やスーダン38796.5573です。日本114.4138は9位で、上がり方が小さい側に並びます。
バーは上端と下端で桁が大きく異なります。推移の線は2013年100.0176から2021年105.2118までゆるやかで、そこから2024年114.4138へ傾きが強まります。
総貯蓄率(対GDP比)
上端はカタール57.421%や中国42.8328%、下端は東ティモール-21.1282%やレバノン-12.7002%です。日本31.0681%は35位で、韓国35.0305%より低く、アメリカ17.8109%より高い位置です。
バーはマイナスから50%超まで広がります。推移の線は2013年25.2525%から2024年31.0681%へ、約5.8ポイントの上向きです。
一人当たりGDP(名目)
上端はリヒテンシュタイン226,809.136ドルやルクセンブルク158,733.346ドル、下端はイエメン383.749ドルです。日本35,703.432ドルは53位で、韓国37,412.075ドル(50位)のすぐ下です。
バーは上端と下端で数百倍の開きがあります。推移の線は2021年41,643.614ドルから2024年33,820.26ドルへ下がり、2026年35,703.432ドルは2015年35,710.561ドルをわずかに下回ります。